【国際税務】海外転勤等で非居住者になる人は固定資産税の手続も忘れずに
海外転勤等で非居住者になる人は固定資産税の手続も忘れずに
目次
固定資産税とは
固定資産税は、毎年1月1日時点で所有する 土地・家屋および償却資産に対して課税されます。いわゆる償却資産税は固定資産税の中の一種です。
土地と家屋については、登記や現況をもとに課税額が決定します。
また、償却資産については、納税者が1月31日までに償却資産申告書を提出することで課税額が決定します。
非居住者になる場合、固定資産税について納税管理人の選任が必要
国外転勤等で非居住者となる場合、納税管理人の選任手続を行う必要があります。
所得税や住民税についてはもちろん、固定資産税についても納税管理人を選任する必要があります。
ご自宅をお持ちの方、投資用不動産をお持ちの方、太陽光発電設備をお持ちの方などは、通常、固定資産税の納税管理人手続が必要となります。
納税管理人は国内居住者ならだれでもよい
納税管理人は、国内居住者であれば誰でも選任できます。通常は、家族か税理士に納税管理人になってもらいます。
自分が海外に行っている間に、確定申告を税理士に依頼する場合には、その税理士になってもらうことが多いです。
納税管理人選任手続は、各固定資産の所在場所の市区町村(東京都の場合は都税事務所や償却資産センター)に提出します。税務署ではありません。
市区町村によって用紙や手続が微妙に違うので、記載要領をよく読んで提出書類をご作成ください。
納税管理人の「申告書」と「承認申請書」
自治体にもよりますが、固定資産税の納税管理人になる予定の人がどこに居住しているかによって手続書類が異なる場合があります。
納税管理人になる予定の人が固定資産所在の市区町村内に居住している場合、納税管理人「申告書」というような名称の書類を提出します。
一方で、納税管理人になる予定の人が固定資産所在の市区町村外に居住している場合、納税管理人「承認申請書」という名称の書類を提出する場合があります。
「申告書」と「承認申請書」の違いは、「申告書」は提出すれば基本的にそのまま認められますが、「承認申請書」は内容について承認を得る必要がある点が異なります。
承認を得る場合であっても、内容について却下されることはまずないと思いますので、手続書類が異なるという点だけお気を付けください。
たとえば、東京都の場合
東京都の場合、納税管理人が都内かどうかによって書類は変わらないようです。
たとえば、さいたま市の場合
埼玉県さいたま市の場合、納税管理人が市内か市外かによって書類が変わります。
納税管理人が市内の場合は「納税管理人申告書」、市外の場合は「納税管理人承認申請書」となります。
固定資産税の納付
原則として、納付手続も納税管理人が行うこととなります。納付書による納付は金融機関か郵便局でないとできず、日本で行う必要があるからです。
しかし、自治体により異なりますが口座振替やペイジーが利用できる場合、本人が納付手続を行うことができます。
都市圏外の自治体では、納税できる金融機関が郵便局や地元の地方銀行や信用組合などに限られている場合があります。このような場合には、郵便局の貯金口座をあらかじめ開設しておくのも手です。
海外転勤中に自宅を賃貸に出す場合は、日本で確定申告が必要になるため留意が必要
いろいろなところで注意喚起されていることですが、海外転勤中に自宅を他人に賃貸に出す場合など、日本で所得が生ずる予定の方は、日本で確定申告が必要となります。
また、出国日までに所得税の納税管理人を選任しない場合には、準確定申告書を税務署に提出する必要がありますのでご注意ください。
もし、海外転勤等で税務上の手続などで不安がある方や手続を調べるのが面倒な方は、個別相談にいらしてください。
【当事務所のサービスのご紹介】
・税務顧問サービス
フリーランスの方や小規模事業者向けに、決算料ゼロの税務顧問サービスを提供しています。
当事務所の顧問契約プランは、下記のような方を想定しております。
- クラウド会計を導入し、経理を自動化して時間と手間を軽減したいと思っている方
- クラウドサービスなどITに興味があり、積極活用したい方
- 電話に重きを置かない方(メールとチャットが好きな方)
・個別相談サービス(固定額)
90分1コマのミーティングで行う固定額のコンサルティングサービスです。これから起業する場合や確定申告でわからない点がある場合など、比較的平易な内容についてコンサルティングいたします。
・個別相談サービス(事前見積もり、タイムチャージ)
M&A、組織再編、事業承継、相続対策などに関する単発のご相談についてはタイムチャージベースでお引き受けいたします。相談の内容について概要をお聞きして、着手前にお見積りをいたします。