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【国際税務】AWSやGoogleなどの利用料の消費税の取扱い

海外クラウドサービス利用料の消費税の取扱い

海外のサービス利用料でも消費税が課税されている場合がある

海外あての支払いが多い「通信費」「支払手数料」

クラウドサービスを利用していると、海外のベンダーへの支払いが発生することもあります。

日本企業の開発したサービスであっても、よくよく契約先や支払先を見てみると、カナダ法人やアイルランド法人だったりしてなかなか油断できません。

そして、海外へクラウドサービスの利用料を支払うときには、その取引が「電気通信利用役務の提供」に該当するかどうかに注意が必要です。

国外事業者へ支払う電気通信利用役務の提供に該当する場合、消費税の取り扱いが複雑になります。

「電気通信利用役務の提供」とは

消費税は、日本の国内取引に該当するものに限り適用されます。国内取引に該当するかどうかは、取引の種別ごとに判定することとなります。

取引が電気通信利用役務の提供に該当する場合、消費税の内外判定は役務の提供を受ける側の住所地が日本国内の場合には消費税が課税されます。

したがって、日本国内の顧客にクラウドサービスなどの電気通信利用役務の提供を行った場合には、日本の消費税が課税されます。

クラウドサービスの利用料を支払ったときに仕入れ税額控除がとれるか

AWS(Amazon Web Service)の利用料

AWSはAmazon Web Service Inc.(米国法人)が提供するクラウドサービスです。カスタムオーダーしない限りにおいては、いわゆる消費者向けの電気通信利用役務の提供に該当します。

また、Amazon Web Service Inc.は登録国外事業者に登録されています(登録番号:00004) 。

したがって、AWSの利用料には原則として日本の消費税が課税されています。

AWSの利用料を支払った場合には、その消費税は仕入れ税額控除の対象となります。仕訳の際には、課税仕入れに区分してください。

G Suite、Google Adwords等のGoogleに支払う利用料

Googleの各サービスは外国法人が提供するサービスで、カスタムオーダーしない限りにおいては、いわゆる消費者向け電気通信利用役務の提供に該当します。

また、Google Asia Pacific Pte. Ltd.(登録番号:00017)は登録国外事業者に登録されています 。

したがって、通常のGoogleに支払う利用料には、日本の消費税が課税されています。

Googleの利用料を支払った場合には、その消費税は仕入れ税額控除の対象となります。仕訳の際には、課税仕入れに区分してください。

eBayに支払う手数料

eBayは eBay International AG (スイス)、eBay Marketplaces GmbH (スイス)が提供するECインフラサービスです。外国法人が提供するサービスですが、カスタムオーダーしない限りにおいては、いわゆる消費者向け電気通信利用役務の提供に該当します。

また、eBay International AG(登録番号:00055) とeBay Marketplaces GmbH (登録番号:00087)は登録国外事業者に登録されています 。

したがって、出品手数料などの利用料には、日本の消費税が課税されています。

eBayの利用料を支払った場合には、その消費税は仕入れ税額控除の対象となります。仕訳の際には、課税仕入れに区分してください。

ただし、eBayからアナウンスがあった通り、eBayが登録外国事業者に登録する手続が遅れたため、2018年5月から10月の間に請求された消費税については仕入れ税額控除ができないものである点に留意が必要です。

PayPalに支払う決済手数料

eBayでECサイト等を運営されている方は、PayPalを利用していると思います。その場合、eBayに利用手数料、PayPalに決済手数料をそれぞれ支払うことになります。

eBayに支払う手数料はサービスの利用料なので消費税が課税されています。一方で、PayPalに支払う決済手数料は、非課税仕入れに該当しますので、消費税は課税されません。

また、PayPalはPayPal Pte. Ltd.(シンガポール法人)が運営しています。2019年9月時点では、 PayPal Pte. Ltd.は登録国外事業者に登録されていません。そのため、消費者向け電気通信利用役務の提供に該当する取引があったとしても、利用料に消費税は課税されていません。

したがって、Paypalの決済利用料は仕入れ税額控除の対象にはなりません仕訳の際に非課税仕入れた対象外に区分してください。

海外サービスの消費税は複雑。金額が小さければ税区分を対象外で仕訳して追及しない

このように、サービスによって消費税が課税されていたり、課税されていなかったりと複雑になっています。

もし仕入れ税額控除の対象になるかどうかが領収書等から不明の場合、金額が小さければ消費税区分を対象外にしてしまって、詳しく追及しないというのも手です。

調べる時間がもったいないくらいの金額であれば、もうあきらめて保守的に処理する(税額が大きくなるように処理する)ことも選択肢の一つですのでご検討ください。


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